男性アイドル向け
「笑えないピエロ」
作詞・作曲:masa
総括例(評価)
A:そのまま提出、もしくは微調整で提出可能
B:修正は多いが提出の可能性あり
C:返却
【頭サビ】
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて 僕に笑えるはずもなく
笑って 笑って 笑って 笑って
そう言われて僕は笑えなくなった
【1A】
道化師なんだ 僕ら人間は誰でも
少なくとも僕はそう思って育ってきた
【1B】
鏡に向かっては口角を上げる日々
何が楽しいか分からなくなるよ
【1サビ】
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて僕に笑えるはずもなく
笑って 笑って 笑って 笑って
そう言われて僕は笑えなくなった
【2A】
なにをしてたって考えは尽きぬ
遠くを眺めたってなにも変わりゃしないって
【2B】
うまく笑えないと分かってはいるけど
意識すればするほど笑えなくなるよ
【2サビ】
笑って 困って 焦って 滑って
流れた涙にやっと気づいた
すがって 嘆いて つまづいて 転んで
やっとこの自分の思いを吐き出す
【大サビ】
笑うってことは時に毒だ それでも素直に笑いたいんだ
【3サビ】
笑って…に すがって…生きてた
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて僕に笑えるはずもないけれど
笑った 笑った 笑った
と言われるその日まで僕は笑う
総括(評価)
B:全体的に展開感が乏しい所が気になりますが、諸々の修正で提出できるレベルになると思います
解説を読む
【頭サビ】
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて 僕に笑えるはずもなく
笑って 笑って 笑って 笑って
そう言われて僕は笑えなくなった
【1A】
道化師なんだ 僕ら人間は誰でも
少なくとも僕はそう思って育ってきた
【1B】
鏡に向かっては口角を上げる日々
何が楽しいか分からなくなるよ
1B:鏡に向かっては口角を上げる日々 何が楽しいか分からなくなるよ Aパートと内容的に大差なく、同じ内容の繰り返しになってしまっている点が勿体ないです。こういう「A・B・サビ」という定番構成においては、Bパートというのはサビへのジャンプ台として、重要な役割になることが多いです。Aで書かれた葛藤に対して怒りが高まってきているのか?もしくは虚無感に陰々滅々としているのか?それがプラスの方向性であれ、マイナスの方向性であれ、その温度感をはっきりと表現するほうが、サビへのジャンプ台としては効果的に機能します。どっちつかずの生ぬるい描写が一番よくないです。 例えば、Aパート2行目の「少なくとも僕はそう思って育ってきた」とBパート2行目の「何が楽しいかわからなくなるよ」は、無くても成立すると思います。そして、「鏡に向かっては口角を上げる日々」「道化師なんだ 僕ら人間は誰でも」という2つの描写をAパートにギュッとまとめて描いてあげてもいいと思います。それだけでも、この主人公がどういう葛藤を抱えているのか、というのはしっかり伝わると思います。そして空いたBパートで少し視点を変えたり、描写の温度感を変えた要素を入れることで、パートごとの展開感を出すことが出来ると思います。歌詞を書く時の基本的スタンスとして、パートごとにしっかり物語が展開していくような意識を持つといいかと思います。
【1サビ】
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて僕に笑えるはずもなく
笑って 笑って 笑って 笑って
そう言われて僕は笑えなくなった
1サビ:笑って 笑って 笑って 笑って と言われて僕に笑えるはずもなく 笑って 笑って 笑って 笑って そう言われて僕は笑えなくなった 丸々同じサイズの頭サビで始める場合、1サビの歌詞が丸々同じだと若干面白みに欠けるということは頭に入れておいた方がいいです。展開感を考えるなら、頭サビとは違う内容を書いた方が良いかと思います。
【2A】
なにをしてたって考えは尽きぬ
遠くを眺めたってなにも変わりゃしないって
2A:なにをしてたって考えは尽きぬ 遠くを眺めたってなにも変わりゃしないって Aの導入として描写がザックリしすぎで、漠然としてしまっている印象です。
【2B】
うまく笑えないと分かってはいるけど
意識すればするほど笑えなくなるよ
2B:うまく笑えないと分かってはいるけど 意識すればするほど笑えなくなるよ 1番でも散々書かれていた「うまく笑えない」という内容を、2Bでもまた全く同じ内容、全く同じ書き方で繰り返すことにあまり意義を感じません。内容的・心理的な変化等、一番からの前進感があったほうがいいかと思います。
【2サビ】
笑って 困って 焦って 滑って
流れた涙にやっと気づいた
すがって 嘆いて つまづいて 転んで
やっとこの自分の思いを吐き出す
【大サビ】
大サビ:笑うってことは時に毒だ それでも素直に笑いたいんだ 前半部分に関して、この主人公独自の視点で明確に言い切っているところがとても良いと思いました。
【3サビ】
3サビ:笑って…に すがって…生きてた 笑って 笑って 笑って 笑って と言われて僕に笑えるはずもないけれど 笑った 笑った 笑った と言われるその日まで僕は笑う 3サビ(大サビ含む)の役割として、「1A→1B→1サビ→大サビ→3サビ」というTVサイズで歌う場合に内容として成立しているか?ということにも意識を向けられるようになるといいかと思います。TV等では2番がカットされ、1サビのあと大サビ・3サビに飛んで歌うことが多々あるので、その状態でも曲として成立していることが必須です。3サビを1サビのリピートではなく他の内容で書く場合、その点も意識して書いておくべきかと思います。
笑って…に すがって…生きてた
笑って 笑って 笑って 笑って
と言われて僕に笑えるはずもないけれど
笑った 笑った 笑った
と言われるその日まで僕は笑う
総括の解説全文
01:部分部分で表現として面白いところはあるのですが、全体的に展開感に乏しく、終始同じような内容が繰り返されているだけになってしまっている点が勿体ないです。聴かせたい部分をより効果的に伝えるために、視点を変えたり、表現の温度感を変えることでもう少しストーリーを展開していけるようになるといいかと思います。
02:この歌詞ですが、終始心の内面イメージだけで描かれているという意味でイメージ歌詞的と言えると思います。自身で歌詞を書き、自身でそれを歌うアーティストの歌詞であればこのような心理描写中心の歌詞でもいいのですが、作詞家が書く歌詞としてはそれだけでは不十分です。自身で歌詞を書くアーティストにのみ許される歌詞と、作詞家が書くべき歌詞、その違いをしっかり認識出来るようになるといいかと思います。
一言で言うなら、心理描写中心に描かれている歌詞というのは、自作自演のアーティストだと許されるものです。一方、作詞家の場合は程よく斬新な視点や切り口がなければいけない、と言えそうです。どういうことかと言うと、ファンが「この人は普段こういうことを考えてるんだ〜」と、アーティストの心理にまで想像を馳せながら聴くことができるという点で、自作自演のアーティストは、描きたいものをそのまま表現することが許されます。多少分かりにくい部分があったとしても、それを余白としてファンのほうから進んで解釈してくれるからです。
一方、作詞家は基本的に心の内面だけの歌詞を書くべきではありません。なぜなら、本人じゃないのに心の中の思想を描くと「食い違い」のリスクにもなるからです。「どういうものを今このアーティストが歌うべきだろうか?」「どういうものをファンは求めているだろうか?」というものを、現在の新規ファン開拓の架け橋にできる様にプロデューサー的な視点でリアルに書くことが要求されます。そいういう意味で、作詞家が書くべき歌詞というのは、「このアーティストをどういう風に魅せるか?」という所にまで気配りの行き届いた表現が必須です。その違いというものを意識して書けるようになると、もっとクオリティを上げていけるかと思います。