女性アイドルグループ向け
「キックザ恋」
作詞・作曲:マイケル野口
総括例(評価)
A:そのまま提出、もしくは微調整で提出可能
B:修正は多いが提出の可能性あり
C:返却
【頭サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ リミッターは外していけよ
今を生きて どかんどかんどかん yeh
【1A】
今夜は 新しい扉 開けてみたいから
しっかり地に足をつけて 踏み出していこう
【1B】
過去の自分を 否定はしないけれど 今日は思い切って 飛び出そう
【1サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ リミッターは外していけよ
限界は 自分で決めるな おおおっおっお
明日(あした)のこと 気にしないで
タコメーター 振り切っていけ
そうしなきゃ 続きは無いから おおおっおっお
今を生きて どかんどかんどかん yeh
【2A】※2番以降
明日(あした)は 新しい光 見つけているけど
未来へ向かってそこから 進み始めよう
【2B】
心の中に 住んでる 弱い虫 今日は 押し殺して 進むのさ
【2サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ ジャストナウを掴んでいこう
限界に 果てなどないから おおおっおっお
未来へ向かう 光を見て ビッグドリーム 叫んでいこう
誰も邪魔 させはしないから おおおっおっお
熱く 燃えて どかんどかんどかん yeh
【3サビ】
※1サビ繰り返し
ぎりぎりまで 攻めていけよ ジャストナウを掴んでいこう
限界に 果てなどないから おおおっおっお
未来へ向かう 光を見て ビッグドリーム 叫んでいこう
誰も邪魔 させはしないから おおおっおっお
熱く 燃えて どかんどかんどかん どかんどかんどかん yeh
総括(評価)
C:上辺だけをすくって言葉を並べた、初心者の歌詞という印象です。
解説を読む
【頭サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ リミッターは外していけよ
今を生きて どかんどかんどかん yeh
頭サビ01:どかんどかんどかん
イロモノ系のアイドル曲用歌詞ということで、「どかんどかん」の部分はメロディともハマっているので悪くないかと思います。
【1A】
今夜は 新しい扉 開けてみたいから
しっかり地に足をつけて 踏み出していこう
1A01:今夜は 新しい扉 開けてみたいから
まず、導入として雑です。そもそも「今夜は」という時間設定に必然性を感じません。例えば、この主人公が「いつもと違って”今夜だけ”はちょっと無理してみてる」感じの描写があれば、「今夜は」に必然性が出るかと思いますが、その後が、「新しい扉 開けてみたいから」という、もはや死語的フレーズが続いている為、この主人公が「何に葛藤しているのか?」「自分をどう変えようとしているのか?」そして「なぜ今夜なのか?」が全く見えません。【B】では「今日は」になっているため、明確な意思がある「今夜は」に感じませんでした。また、「新しい扉を開こう」のような、いわゆる「歌詞っぽいフレーズ」に逃げるのは好ましくないです。例えば、CMで「この商品サイコー」と言わない理由を考えてみると分かりやすいかと思うのですが、基本的には、「新しい扉を開く」という言葉を使わずに「新しい扉を開いている状況」を描くことにレトリックを駆使して言葉を尽くすのが使命かと思います。「トキメキ」「きらめき」「届けたい想い」「一人じゃないから」「愛してる」などのありがちな死語フレーズも同様です。
1A02:しっかり地に足をつけて 踏み出していこう
1行目と2行目の繋がりが希薄です。「新しい扉開けてみたい”から”」という接続表現で繋がれておりますが、「新しいことにチャレンジすること」と、その後の「地に足をつけて踏み出す」という内容は、ある意味真逆の印象もあります。他の部分を見る限り、全体的に「思い切って飛び出せ」という内容のため、この2行目だけが急に真面目過ぎる印象です。「地に足がつかないような状態でもいいから思い切って飛び出そう」なのか「地に足つけて着実に一歩ずつ進んでいこう」なのか、全体を貫く温度感としてハッキリさせた方が良いです。
【1B】
過去の自分を 否定はしないけれど 今日は思い切って 飛び出そう
1B01:今日は思い切って 飛び出そう
日本語として「けれど」が効果的に機能していないため、聴いていて一瞬論理を見失います。「過去の自分を否定はしない」 but 「ここは変えるべきだと思ってる」の方が内容的に必然性があるので、そこをしっかり描くべきです。「ここは変えなきゃと思った」という部分がこの主人公の「気づき」の筈ですが、それが抜け落ちているため漠然としたイメージ歌詞に終始してしまっています。
また、後半にもある「飛び出そう」は、「踏み出そう」「攻めていこう」「進もう」「始めよう」などの類似ワードになりますので、文字数が少ないBパートで同じ様な事をわざわざ書く意義を感じませんでした。
【1サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ リミッターは外していけよ
限界は 自分で決めるな おおおっおっお
1サビ01:限界は 自分で決めるな
軽めの気になり方ですが、前行と重複している印象です。
明日(あした)のこと 気にしないで
タコメーター 振り切っていけ
そうしなきゃ 続きは無いから おおおっおっお
1サビ02:そうしなきゃ 続きは無いから
軽めの気になり方ですが、前行と重複している印象です。
今を生きて どかんどかんどかん yeh
【2A】※2番以降
明日(あした)は 新しい光 見つけているけど
未来へ向かってそこから 進み始めよう
※2番以降
2番以降は以下同文です。まずは、1番を修正してバランスを取れるようになりましょう。
【2B】
心の中に 住んでる 弱い虫 今日は 押し殺して 進むのさ
【2サビ】
ぎりぎりまで 攻めていけよ ジャストナウを掴んでいこう
限界に 果てなどないから おおおっおっお
未来へ向かう 光を見て ビッグドリーム 叫んでいこう
誰も邪魔 させはしないから おおおっおっお
熱く 燃えて どかんどかんどかん yeh
【3サビ】
※1サビ繰り返し
ぎりぎりまで 攻めていけよ ジャストナウを掴んでいこう
限界に 果てなどないから おおおっおっお
未来へ向かう 光を見て ビッグドリーム 叫んでいこう
誰も邪魔 させはしないから おおおっおっお
熱く 燃えて どかんどかんどかん どかんどかんどかん yeh
総括の解説全文
01a:テーマ性が希薄です。終始「踏み出そう」という漠然とした内容が羅列されているだけで、どういうテーマを描いた作品なのかが全く見えません。「普通のことをただ普通に書いているだけ」の歌詞になっています。曲を聴いている時に、ただ「踏み出していこう!」と歌っている曲に、「そうか!踏み出していかなきゃ!」と思えるでしょうか?こういうただの漠然とした歌詞を「イメージ歌詞」と言います。「こんな感じの歌詞書こう」という程度の漠然とした状態で書き始めるのは、やめるべきです。何から踏み出そうとしている歌詞なのか、どういう現状を変えようとしている歌詞なのか、また、それが仕事の話なのか恋愛の話なのか、そういう作品の中心部分の具体的なテーマが、歌詞には必要なのです。
01b:「パートごとの役割」という部分に、もっと意識を傾けた方が良いです。こちらの歌詞ですが、【A】から【サビ】に到るまで、全てが同じ温度感で書かれており、物語としての起伏がなく、終始同じ内容(踏み出そう・飛び出そう・攻めていこう・等の類似ワード)が繰り返されています。これではリスナーの心に訴えかけたり、共感を呼べる作品にはなり得ません。例えばですが、【A】でこの主人公がどういう葛藤を抱えているのか、何にぶつかって苦しんでいるのか、それを導入(問題提起)としてしっかりと示し、【B】でその葛藤に対してどういう向き合い方をするべきだと考えたのか、何故このままじゃダメだと思ったのか、等の主人公の心の揺れ動きを描き、その結果【サビ】で「もっとぎりぎりまで攻めていかなきゃ!」と思えるようになった。という様に、パートごとの役割を明確に意識してあげるだけで、物語として起伏が生まれます。
02:タイトルと歌詞の内容の繋がりが皆無です。響きのインパクトやキャッチーさというのは勿論大切な要素ですが、内容との関連がなければ全く意味がありません。