講師一同、今年もよろしくお願い申し上げます。

2023.01.05

昨年からスタートした、現役作家によるリモート音楽塾「作詞・作曲ラボラトリーズ」。受講生の体験レッスン時にスタートラインを決めるので、ペースも含めて完全合致して進められるのが特徴です
例えば、以下の様なことが実施されてました。

 

■講師:安岡洋一郎
・ご自身が作った曲のコードがわからない、という生徒さんにコード理論を使って説明しました。
・フリーでコンペに提出される生徒さんの楽曲に対して、対象アーティスト別にアドバイスをしました。
・自作自演楽曲、と提供曲の違いを説明しました。
・ネットで作品を発表している生徒さんの楽曲へのアドバイスをしました。
・私自身のアレンジ作業の流れを説明しました。
・カラオケ制作業務の紹介、説明などを希望者にはしています。

 

■講師:海津信志
・ご自身ですでに楽曲をリリースされているクリエイターの方へのレッスンで、しっかりと楽曲として成立しており、メロディモチーフもとても良かったのですが、モチーフの展開が少なく「捨てメロ」になってしまっている部分を精査する事により、より印象的で覚えやすい楽曲になるようにレッスンしました。
・これまで勉強してきたジャズ理論、テンションをどのようにポップスに取り入れたら良いかという質問で、むやみやたらにジャズスケールやテンションを使うと、ただ「外した音」になり楽曲に濁りができてしまうので、あくまでメロディに寄り添った範囲(不協和音にならないように)で使用し、メロディが無い隙間や間奏で難しい事を多く取り入れるだけでも、楽曲の印象をジャズや難しい楽曲っぽく聴かせる事ができる事をお伝えして実践しました。
・実際に楽曲提供や実績も出されている方に対して、どのようにして楽曲を作るスピードを早くするかと言う質問で、毎回楽曲を作るたびに全ての楽器トラックを作成して、音色を探して…としているとそれだけで疲れてしまい、その度にベストな音作りができるとは限らないので、ある程度自分が気に入った、またはこれまで上手く言った音色だけを数パターンをテンプレートにしておき、プロジェクトを立ち上げたらすぐに打ち込み、録音ができる状態にしておけば、メロディ作りに時間を割けますし、楽曲のデモとしての仕上がりも良くなると言うことをお伝えしました。

 

■講師:Soflan Daichi
昨年は、本当に様々な人たちに出会えた一年だったなと思います。作詞家を目指されている方、自身のアーティスト活動のために歌詞を磨きに来た方、作詞出来るようになりたい作曲家の方、趣味で作詞を楽しまれている方。人生における詞との関わり合い方は本当に人それぞれです。
 これまで行ってきたアーティストの方々へのレッスンでは、どうしても締切前日やレコーディング前日になってもまだ詞が完成しない場合など、具体的な内容に関するアドバイスをしたり、一緒に書いてあげたりということが必要な状況も多々ありました。でもそれって、ある意味で答えを押し付けているようなものなんですよね。当たり前のことですが、ただでさえ答えのない詞ですので、それでは面白くない。
なので、そういうデッドラインのないこのレッスンでは、なるべくこちらから一方的に解答を与えるようなことはせず、”気づきの種”みたいなものを沢山手渡してあげることに重きを置いてレッスンを行ってきました。「その言葉は書き方を変えるだけでこんな手触りにもなるし、こんな世界観にもなるんじゃない?」みたいな。その種にどんな水を与え、どういう花を咲かせるかは各々自由に選んでね、と。
 「誰もが見えているが見ていないものを描き出す」というのが詞が果たすべき役割の一つとしてあると思うのですが、その為に必要なのは決して大それた思考方法や技術の獲得などではなく、ほんの些細な”まなざしの向け方を知る”ということなのではないかと思っています。
最初のレッスンで「ありきたりな詞しか書けない」と絶望していた生徒さんが、今では「今その手に持ってるボールペンをテーマにして来週までに何か物語を一曲書いてきてよ」という鬼畜すぎる宿題を出しても、翌週には、ありきたり感ゼロの「昼ドラばりにドロドロのクレイジーなラブソング」を嬉々としてあげてくるようになったのですが、その子はいつも、僕が「だったらこういう広げ方もあるんじゃない?」等と伝えるたびに「いま先生の脳内でどういう道順でその発想に至ったのかを全部言語化して教えて下さい」と、毎週ものすごい量のメモを取って帰っていきます。「僕が何を書いているか」ではなく「僕が何を見ているのか」をインストールしようとしているようです。そういう様々な視点の着脱を繰り返す中で、彼女なりの”まなざしの向け方”を掴んだのだと思います。あくまで一例ですが。
 もちろん、作詞家志望の人に対しては、どんなにスランプの時でも依頼があれば納品しなければいけないし、修正依頼等で余白が極限に限られた状態でも仕上げなければいけないことも多々あるため、ある程度意識的に書きたいことを操れるよう、楽器でいうところの音楽理論的な、あくまで脳内イメージの再現性を高めるためのツールの一つとして技術的なこともちゃんと伝えていますのでご安心下さい。